高血圧

Q1.高血圧とはどのような状態ですか
A1.血圧は心臓のポンプ作用(収縮と拡張)によって送り出された血液が、血管の壁に与える圧力のことです。
心臓が収縮して血液が送り出されるときに最も高く(上の血圧:収縮期血圧)、全身を循環した血液が心臓に戻り、心臓が拡張した時に最も(下の血圧:拡張期血圧)低くなります。これらの血圧が正常値を超えた状態が高血圧です。

Q2.
高血圧の原因として考えられるのは何ですか
A2.高血圧は本態性高血圧と2次性高血圧に分類されます。ここでは高血圧患者の約90%以上を占める本態性高血圧について言えば、本態性高血圧の原因は不明ですが、遺伝的な要因や生活習慣などの環境要因が複雑に絡み合って発病すると考えられています。

高血圧の原因の一つと考えられる悪い生活習慣とは、
   @塩分の取りすぎ
   A肥満
   Bストレス   
   C運動不足
   D喫煙
   E過度の飲酒   などです。

Q3.
高血圧の自覚症状がないのですが……
A3.高血圧(本態性)は、ほとんどの場合自覚症状が現れません。
しかし、自覚症状がないからといってそのまま放置しておくと、高血圧により全身の血管の壁が硬くなる現象が起こり、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が進展すると脳卒中や虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)を起こし、命にかかわることがあります。

Q4.
高血圧にはなぜ塩分がいけないのですか
A4.塩分を多く摂取すると体内にナトリウムが貯留し、体液量が増加します。同時に血液中の水分量も増加し、末梢血管への圧力が増大して血圧が高くなります。従って、食塩の摂取を減らすことが逆に高血圧の予防・治療につながります。
高血圧を予防・治療するためには、正常な血圧の人でも8g、高血圧の人は1日6g程度におさえるように心がけることが大切です。

●治療・予防法

非薬物治療と薬物治療

高血圧の治療として非薬物治療と薬物治療の二つがあげられます。

非薬物治療とは生活習慣の改善です。食習慣の改善(塩分の制限、肥満の改善、アルコール、動物性脂肪の制限、カリウム.カルシウム.マグネシウム・繊維成分の補給)です。具体的には野菜・果物の十分な摂取と肉類(牛肉、豚肉)に含まれる飽和脂肪酸の制限です。
適度な運動、禁煙、ストレス解消も必要です。非薬物治療のポイントは半永久的に『継続する』ことにあります。もう一点あげたいのは知的活動です。政治・経済などの動向に関心を持つこと、自分の健康に関心を持ってこういった公開講座に参加することも健康を維持するための重要なライフスタイルの一つです。
薬物療法については、高血圧で投薬をうけておられる方は、主治医の先生に一度投薬内容についてご相談ください。あらゆる種類の降圧剤がありります。自己責任の時代です。自分が服用している薬についてよく勉強することが大切です。自分の健康は自分で守るという意識が最も重要なのです。

高血圧を予防しよう!

日本人の高血圧には遺伝的要素が関わっていることが多い為、家族に高血圧のかたがいるなら、特に注意が必要です。

ナトリウム(塩分)を控えましょう。
塩分は血圧を上げるため、1日6〜8g程度にしましょう。日本人は平均13g/日であるので半分の摂取にして下さい。また、加工食品、調味料を控えることが塩分のとり過ぎを防ぎます。

カリウムをとりましょう。
カリウムはナトリウムの再吸収を阻害します。ホウレンソウ、いんげん豆、バナナなどに多く含まれています。

カルシウム、マグネシウムをとりましょう。
ミネラルバランスを整えることは高血圧の方に良いといわれています。

コレステロールを減らしましょう。
コレステロールや脂肪の多いものは動脈硬化の原因となります。肉類より魚類を多くとるようにしましょう。また、食べ過ぎにも注意して下さい。

運動をしましょう。
血液中の血圧を上げる物質を抑え、血圧を下げる物質を増やします。速歩き、水泳など、30分以上続くような運動を毎日行うのが効果的です。

高血圧の治療
 二次性高血圧は原因を取り除くことで治療することができます。本態性高血圧の治療法は大きく2つに分けることができます。一つは非薬物治療、もう一つは薬物治療です。本態性高血圧はその原因が分からないため、ずっと降圧薬を飲み続けなければなりません。
しかし、薬物では原因から治療できなくても、生活習慣を改善することで血圧が下がることが良くあります。血圧をあげると言われている、過度の飲酒、喫煙、肥満、運動不足、ストレスなどを改善することで、高血圧が治る人もいます。薬では対処療法は出来ても原因療法ができない薬物治療より、本態性高血圧にとって非薬物療法の方が重要であると考えられます。

非薬物治療方法-高血圧予防と管理のためのライフスタイルの適正化

・体重過多の場合は減量する。肥満係数で26以下とする。
・アルコール摂取量を、エタノールで1日30ml以下に制限する。ビールでは720ml、ワインで300ml、100度のウイスキーで30ml。女性および体重の軽い患者は1日エタノール15ml以下とする。
・有酸素運動を行う(1週間ほぼ毎日30-45分間)
・ナトリウム摂取量を1日2.4グラム、塩化ナトリウム(食塩)として6グラムとする。
・食事中カリウムの十分な摂取量(カリウムで1日約3.5グラム)を維持する。
・食事中カルシウムは1日600mg以上(牛乳で520ml)およびマグネシウムの十分な摂取量を維持する。
・総合的な心血管系の健康のために禁煙し、食事中の飽和脂肪酸とコレステロールの摂食量を減らす。

 肥満係数(BMI)= 体重kg /(身長m)x(身長m)
 男女とも20歳以上BMI=22を標準とする。

ポリフェノールが心臓病によいことが話題になりましたが、心臓病以外でも活性酸素を消去する働きがあるので、健康には良いです。

ポリフェノールの含有量 食 品 含 有 量
赤ワイン 300mg
バナナ 292mg
マンゴー 260mg
ブルーベリー 250mg
春菊 211mg
納豆 210mg
ミルクチョコ 200mg
ぶどう 192mg
リンゴ 183mg
日本茶 100mg
そば 100mg
コーヒー 100mg
さつまいも 95mg

100mlあたり、もしくは100mgあたり