(1) 最近、酵素という言葉は良くお聞きになると思います。洗剤にも歯磨きにも、そして健康食品にも、「酵素入り」と表示されているものが多くみられます。いったい、酵素とはどんなものでしょうか。 酵素は命の源: 酵素は「命の源」と言われています。なぜでしょうか。それは微生物から動植物そして私たち人間いたる自然界のすべてに備わっているあらゆる生命の維持・管理に欠かせない働きを司[つかさど]っているからです。木の葉の紅葉・緑藻類の光合成・取り入れる食物を分解して栄養素に変換し、血となり肉となる働きなど、無数にあ ります。そしてこのことから酵素は私たちの健康と生命維持に不可欠な働きをしています。 どんな働き?: 一例として、食事を考えてください。口の中に入れた食物は良く噛むことによって「唾液」の分泌を促します。そしてこの「唾液」の中にアミラーゼと言う酵素が含まれており、その酵素が食物のでんぷんをブドウ糖と言う栄養素に変換して、体内に 取り込む働きをします。食物の中のたんぱく質は、胃の中のプロテアーゼと言う酵素が分解を助け、そのたんぱく質をアミノ酸と言う栄養素に変換してくれます。このような酵素が無ければ、例え栄養のある食物でも身体の中に吸収は出来ないので、栄養になりませんしそれどころか分解しないので身体にそのままとどまることによって毒素にさえなってしまいます。 ![]() 今、なぜ酵素?(2) 上に戻る 酵素の種類: 大きく分けて酵素は三種類あります。A食物酵素 B消化酵素 C代謝酵素 この中の代謝酵素は「維持酵素」とも呼んでいます。 A:食物酵素とは、生野菜・くだもの・刺身・生の牛乳・発酵食品 (納豆、ヨーグルト、鰹節、漬物)に含まれています。 ただし、市販の多くの牛乳は加熱処理されていますので、実際の牛から採取した乳ほどはふくまれていないことがおおいようです。 それは市販のヨーグルトに関しても同じです。 B:消化酵素とは、食べた物を分解し、身体が吸収しやすい物質に変える働きをします。 唾液に含まれているアミラーゼは食物をデンプンに分解しますし、胃液に含まれているプロテアーゼは胃の中にデンプンをアミノ酸に変えます。 この二例を見ただけでも、酵素は私たちの身体の中で重要な働きをしていることが理解できます。そしてそれぞれの酵素は、仕事の分担が決まっていることもご理解いただけたのではないでしょうか。 つまり一つの酵素は一つの働きだけを担当します。代用は出来ません。 さて、三番目のC:代謝酵素はさらに重要な働きをしています。 ![]() 今、なぜ酵素?(3) 上に戻る 代謝酵素(維持酵素)の働き 簡単にまとめると…… @新陳代謝を高める:吸収された栄養を体中の細胞に届けてその栄養が有効に働く手助けをする。 A有害物質の除去:毒素を汗や尿として排出する。身体の中には「活性酸素」が存在する。この「活性酸素」はばい菌を殺すと言う有益な働きもするが、細胞を傷つけると言う有害な働きもする。その有害な働きを抑えるのも酵素の働きである。つまりこの酵素は有害な活性酸素を無害な物質に変えて、ガンや老化から身体を守る働きをしている。 B治癒力:身体の悪い部分を修復し、病気を直す。 C免疫力を高める。 ![]() 今、なぜ酵素?(4) 上に戻る 酵素が不足すると…… ![]() 上の二つの写真をご覧ください。 左側は血液中の消化し切れなかった栄養分が混じってしまい、 赤血球が連なってしまった状態です。 右側はいわゆるさらさらのきれいな血です。 違いは……? 酵素の働きによって赤血球が固まらないようになったことです。 |