成人病(生活習慣病)

●成人病 〜 生活習慣病 なぜ改名されたか

1998年12月、厚生省(現厚生労働省)は、約40年に渡って使用してきた「成人病」という呼称をやめて、「生活習慣病」という呼称に変えました。

もともと「成人病」という呼び名は、当時の厚生省によって「40歳前後から死亡率が高くなり、全死因の中で高位を占め、働き盛りに多い疾患」として定義されたものでした。「成人病」は定義にもあるように、まさに「働き盛りに多い病気」を指していたのです。

具体的には、高血圧、糖尿病、高脂血症、脳血管障害、虚血性心疾患などの総称を示したものでした。脳血管障害には脳梗塞、脳血栓、脳内出血などが含まれ、虚血性心疾患は狭心症や心筋梗塞を指しています。

ところが近年になると、「成人病」の発症状況に著しい変化が現れるようになりました。それは、発症の低年齢化です。
実際に若いにもかかわらず、心筋梗塞になった、糖尿病にかかったなどの症例が増えてきたのです。

そこで、いわゆる「成人病」は、食生活や運動、喫煙、アルコールといった生活習慣が大きな影響を与えていることから、「生活習慣病」としたのです。

つまり、生活習慣を変えることによって、病気から身を守ることを奨励するようになったということです。