心筋梗塞

心筋梗塞
冠動脈の一部の血流がとだえ、その下流にある心筋が酸素不足になって壊死する疾患。

冠動脈の動脈硬化が進展して粥状(じゅくじょう)硬化になり、そのために血管がせまくなったり、閉塞したりして発症することが多い。ときに冠動脈の急激な収縮(攣縮:れんしゅく)によっておこることもある。

突然発症することもあるが、半数近くに前兆として狭心症の発作がみられる。生命にもかかわる重い病気で、日本では心筋梗塞をふくむ心疾患は、癌、脳血管障害とともに、死因の上位を占める。高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙、攻撃的な性格、ストレスなどが危険因子とされ、40代以降の男性の発症頻度が高い。

おもな症状は胸痛で、前胸部にしめつけられるようなはげしい痛みが30分〜数時間持続する。背中やみぞおちの痛みをうったえることもある。
吐き気や嘔吐(おうと)、呼吸困難、顔面蒼白、手足の冷感、冷や汗などのショック症状をともなうことも多い。また、約90%の人に不整脈がみられる。ただし、高齢者などでは、ほとんど自覚症状がないまま発症する無症候性心筋梗塞もある。このような発作はふつう数時間から1日で軽快するが、重症者では数時間以内に心停止をおこして死亡することもある。

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心臓は、身体の抹消へ血液を送り出すポンプの働きをしています。この心臓の表面をおおうように走っているのが冠動脈です。冠状動脈ともいいます。冠動脈は、心臓に血液を供給する重要な働きを持った動脈です。
この冠動脈の血管壁にコレステロールがたまって動脈硬化が進むと、血管の内側が狭くなってしまいます。このような状態を狭心症といいます。

狭くなった血管に血栓(血液の固まり)ができ、閉塞(血管がつまること)して血液の流れが止まると心臓に酸素を供給できなくなってしまいます。このようにして心臓に酸素が供給できなくなり、心筋の細胞が死んでしまう状態を心筋梗塞症といいます。狭心症を放置すると心筋梗塞症へと移行します。

心筋梗塞の原因
心筋梗塞を引き起こす直接の原因は、血管に血栓ができて閉塞し、血液の流が止まることですが、その直接的な原因は現在もよくわかっていません。しかし、誘因となるいくつかの危険因子はよく知られています。

血中コレステロールや中性脂肪が高い人などの高脂血症や糖尿病、高血圧、喫煙、肥満等は、狭心症や心筋梗塞症の発症と関連が高いことはよく知られています。さらに、過度の疲労、睡眠不足、激務、過度の精神的ストレスも心筋梗塞発症の要因となっています。

心筋梗塞などの虚血性心疾患は、生活習慣病の一つに挙げられているように、日常生活の不節制が心筋梗塞の発症に大きく関わっています。
高脂血症、高血圧などは心筋梗塞の危険因子の一つですが、健康管理上それ自体予防すべき重要な疾患であり、虚血性心疾患のみならず、脳血管疾患など様々な疾患の原因ともなっています。

このように、心筋梗塞症の発症には長期間にわたる悪い生活習慣が大きく関与しているといえます。

狭心症や心筋梗塞の原因は、心臓にある冠動脈の動脈硬化です。冠動脈は、心臓をまるで冠のように取り巻いているので、そう名づけられています。心臓は全身に血液を循環させるポンプであり、冠動脈は、その心臓自身の筋肉に血液を送り込む大切な役割を果たしているのです。

心筋梗塞とは?
狭くなった冠動脈の内側に、血栓(血の固まり)ができて、血液が送られなくなり、心臓の筋肉の一部が死んでしまいます。
狭心症とは比べものにならないほどの激しい胸の痛みに襲われ、むかつきや脂汗をかくといった症状に見舞われます。

心筋梗塞の原因

・ 高脂血症、糖尿病、高血圧症などの治療を怠っていたために動脈硬化が進み、血管が細くなりやがて詰まう。
・ 喫煙や肥満も心筋梗塞のリスクを高める。
・ 狭心症の治療を怠っていたために心筋梗塞となることがある。

●治療・予防法

病気にならないためには、動脈硬化の進行を予防することが大切です。それには危険因子と呼ばれる因子の除去に努めることが重要です。

禁煙、塩分・糖分・脂肪分のとりすぎに注意し、バランスのよい食事をして、高血圧症・糖尿病・高脂血症を予防すること、適度な運動(毎日適当な距離を歩く習慣をつけて下さい)、気分転換を図り、ストレスを避け、規則正しい生活を送ること、血縁の方に心筋梗塞症や狭心症の方がいれば、特に長年の悪い習慣を改める必要があります。

また心筋梗塞症は過度の疲労や緊張、暴飲暴食、天候の急変などをきっかけに生じることが多いので、それらを避けることが大切です。胸痛があったときにはすぐに医療機関に相談して下さい。

狭心症や心筋梗塞はいずれも冠状動脈の動脈硬化によって発生しますので、これを予防するのが何よりも重要です。往々にしてこれらの病気はがっちりしたスポーツ選手や健康に自信を持っている人、あるいは美食家や大食家といわれる人々に多発しています。
これらの人々は動脈硬化を促進する危険因子を備えもっていることが多いのです。その危険因子とは高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症、喫煙、ストレス、遺伝などです。これらがいくつか重なると、動脈硬化が促進されていくわけです。したがってこれらを予防することが先決です。

心筋梗塞は動脈硬化の進んだ人に多くおこる
中年になったら高血圧、高脂血症、糖尿病、痛風など動脈硬化を促進する病気がないかどうかをチェックする。

異常が見つかったら、それぞれ、食塩、動物性脂肪(コレステロールの多いものを含む)、糖分、肉食などの摂取を減らす。
さらに十分な治療を受けること。
喫煙は厳禁。
太りすぎを避ける。
適度の運動をする。

糖尿病では、この冠状動脈の硬化に基づく狭心症、心筋梗塞が、糖尿病のない人に比較して明らかに多発する傾向にあります。